2010年2月14日日曜日

鯨に敬服する北新地の夜

関西グルメ界“最強の水先案内人”、夏目雅子女史のご指導を得て、大丸梅田店のスタッフとともに夜の北新地に出張潜入してまいりました。

新地は、東京で言うところの、“銀座と赤坂のあいのこ”といった感じの大人のエリア。お店にたどり着くまでも、夜の街になんだかドキドキです。

目的のお店は、鯨料理『どおぞの』。すでに会社帰りのサラリーマンや、女性のグループでにぎわっています。

まずは、「たこのやわらか煮」や「豚の角煮」をつまみながら乾杯。新地で、かつ鯨、という敷居の高さを感じさせない、こじんまりとアットホームな雰囲気に、緊張もほぐれ、これから出会う未知の味へ期待が膨らみます。

そこへ待ってました、の鯨が登場。まずは鯨刺し4種盛りを。赤身→さえずり→鹿の子→本皮の順でいただくのがお作法、お好みでスダチをしぼっても美味しいですよ、と店員さんからのレクチャーを受け、いざいただきます。



一口食べて衝撃。鯨ってお肉なんですよね。あたりまえですが、どうしてもその雄大に泳ぐお姿から、哺乳類でありながら魚のイメージを持っていた私。目からウロコとはこのことです。

1枚1枚噛みしめている間に間に、みるみる脂が溶け出していきます。これは鯨肉の融点が低いためだそう。まったく臭みのない鯨肉に感動する一同。「どおぞの」では、プランクトンを主食とする、ひげ鯨を使用しているため、魚を主食にしている歯鯨とくらべて、臭みが少ないのだそう。

続いて看板メニューの「鯨はりしゃぶ鍋」へ。鯨刺しの3種(鹿の子、本皮、赤身)を、出し汁でしゃぶしゃぶ。お刺身でもいただけるお肉ですから、ほんとうに、しゃぶしゃぶと2回出し汁にくぐらせるだけでOK。

もちろんお肉も美味ですが、鯨から出る旨味で、お出汁が食べたことのない味わいへと深まります。いっしょにしゃぶしゃぶする京水菜の食感も楽しく、どんどん箸が進みます。



お出汁が美味しすぎてついつい飲んでしまう私。何度もお出汁を注ぎ足していただき、締めへ突入です。稲庭うどんを十分堪能した後、雑炊もお願いしてしまうという、女子軍団とは思えぬ食べっぷりで、いつしか終電間際。

鯨への感謝の気持ちを抱きながら、身も心も満たされながら、新地の夜は更けていくのでした。

K隊員

■『どおぞの』のホームページは、こちらです。